大洗のメインストリートの一つ『大洗海岸通り』。文字通り海岸沿いを走る道だが、大洗磯前神社（おおあらいいそさきじんじゃ）の大鳥居がある側から入ってすぐの左側に『はまや旅館』はある。構えは宿というより御食事処と言った方がしっくりと来る。「宿泊施設を有した新鮮な魚介類で定評のある御食事処」と言ってしまってもそう語弊は無いだろう。実際のところ客室数は5つだけという小ぢんまりとした宿なのだ。目の前に大洗海岸がある。

『御食事処はまや』は新鮮な魚介類で人気。定番メニューのほか、ホワイトボードにその日の仕入れによってメニューが書かれているので、ぜひともこれをチェックしてほしい。キンキ、メヒカリ、アワビ、サザエ、伊勢エビ・・魅惑のメニューが所狭しと書きなぐられている。10種類ほどのお刺身が盛られた海鮮丼がおすすめ。冬の時期はアンコウ鍋もはずせない。黒ゴマでコクを出した赤味噌仕立ての濃厚な味わい。アン肝たっぷりで好きな人にはたまらない。

ロビーに一歩入ると、左側にわずかばかりの共有スペースがあり、正面は御食事処の入り口になる。お酒と一緒においしい料理を食べて「ああ、このまま泊まってしまいたい」と考えたことは無いだろうか？　ここはそれを実現してくれる夢の御食事処なのだ。しかもお風呂にも入れる（当たり前か）。宿泊者向けのメニューは一応決まってはいるが、御食事処のメニューを見ながら色々と注文を付けてもいいだろう。より自分好みの食事を味わい尽くしてほしい。

料理人気質のご主人・大貫実さんと、笑顔が素敵な女将の廣子さんによって、この宿は切り盛りされている。廣子さんはいかにも肝っ玉母さんといった雰囲気。ご主人の魚に対するこだわりは素晴らしく、目を輝かせながらおすすめの魚の説明をしてくれたりする。部屋は和室で昔ながらの旅館そのもの。お風呂に入って汗を流したら、お腹いっぱい大洗の新鮮な魚介類を堪能。その後は波の音を聞きながらゆっくりと眠りにつくのが、極上の時間の過ごし方。