客室は全室、落ち着いた雰囲気の和室。道を隔てた向こう側は海なので、窓を開けば波の音が聞こえる。全室オーシャンビューの設定なので当たり外れが無く、安心して宿泊出来る。仲間とワイワイ泊まりたいという希望があれば、普段は宴会場として利用している部屋を客室として提供してくれる。比較的安価で泊まれる上に、仲間と一緒の楽しい時間が過ごせる粋な計らいだ。

こちらの宿の家族風呂はチェックインからチェックアウトの時間までなら24時間入浴可能。追加料金もなく利用出来る。湯船は5人程度なら無理無く一度に入れるぐらいの大きさ。特に予約の制度は設けられていないが、実質貸し切り風呂になるので、時間を気にせず湯につかる至福のひと時を過ごせる。大切な人たちと一緒に湯につかりながら、ゆったりとコミュニケーション。

外観を見ると「磯料理 日野治」という大きな看板、「いわし料理」や「生しらす丼」など、魚好きなら心魅かれる文字が目を引く。宿の1階が季節の地魚を楽しめる御食事処になっていて、午前11時から午後9時（ラストオーダー午後8時）まで通しで営業している。もちろん宿泊客はそれらの料理を存分に楽しめる。春はイワシや生シラス、夏は岩牡蠣、秋と冬はアンコウがおすすめ。

日野治旅館は近くのアウトレットモールや水族館で別の飲食店を展開するぐらい料理自慢の宿だが、おもてなしの心を大切にしていることも特徴のひとつ。創業70年というと大洗では中堅だが、支配人をはじめ、ベテランスタッフの心配りは、客と適度な距離を保ちながらもあたたかいまなざしに満ちている。「部屋から見られる美しい日の出をぜひ楽しんで」と支配人の溝口智徳さん。