大洗22の宿物語取材:スタジオ デン
写真:新垣 宏久

ここで紹介する22の宿はそれぞれ『海』『食』『人』のいずれか、あるいはそのうちのふたつ、あるいは全部をその魅力として持ち合わせている。大洗は海の街だ。そこにある宿は、立地だけで海の魅力を伝えられる優位性がある。近くの漁港では近海で獲れた新鮮な魚介類が人々の胃袋におさまる瞬間を待ちわびている。それらを求めて多くの旅人が訪れる。迎える大洗の人たちは、当たり前のようにおもてなしの心を育くんでいく。そんな大洗の宿の魅力に触れるため、私たちはまた、大洗を訪れる。ごく自然に、海の近くで海風が香るように。

海で知る宿の魅力〜海風を感じながら

ロケーションが魅力の宿

大洗ホテル

お風呂につかりながら海の表情に見とれる展望大浴場

最上階にある『展望大浴場』からは、湯船につかりながら海を見下ろせる。海は時間帯や天候によって表情を変えていくので、見ていて飽きるということが無い。早めのチェックインを済ませて、太陽があるうちにお風呂に入り、刻々と変わる海の表情を長い時間かけて眺めていた。こうなると当然、朝風呂にも入りたくなる。午前5時から大浴場に入れるのは宿泊者の特権。日の出の少し前にお風呂に入り、夜明けの海を見ながらのお風呂を満喫!

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かんぽの宿 大洗

大洗屈指のロケーションで楽しむ、宿こだわりの料理

高台に位置し、太平洋に注ぐ那珂川を一望できるこの宿ではレストランからの眺望も抜群。まず目に飛び込んで来るのが、ひたちなか市と大洗町を結ぶシンボル的存在の海門橋。その鮮やかな赤い橋のたもとでは釣り人たちが釣果を競っている。料理を待つ間だけでも、様々な表情を見せる風景が目を楽しませてくれる。

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食で知る宿の魅力〜大洗の海の幸に舌鼓

食が魅力の宿

割烹旅館 さかなや隠居

女性の心をグッとつかむ、センスのいい館内

創業100年、6代続く老舗の割烹旅館。現在の建物は平成元年に建てられたもので、当時としても他に類を見ない洒落たデザイン建築だったが、東日本大震災を機に改装。耐震性の強化に加え、より機能性とデザイン性を重視した和モダンな造りに生まれ変わった。客室から洗面所、壁紙にいたるまで、各部屋やフロアごとに様相を変えるため、歩くだけでも楽しい。「かみさんを連れて来たら...」喜ぶ笑顔が、すぐに浮かんだ。

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割烹旅館 肴屋本店

都内有名店で研鑽を積んだ若旦那自らが仕入れから調理まで担当

春は鹿島灘のはまぐり、夏は岩牡蠣、秋は戻り鰹、そして冬はあんこう。春夏秋冬それぞれに至福のご馳走が待っているから、いつ訪れるか迷ってしまう。明治初期より続く老舗だからこそ、長年の歳月で培った卸業者との信頼関係のもと日々最高の食材が手に入るとか。その時期ならではの地魚や茨城の特産品を盛り込んだ料理は、毎度のことながら驚きと感動に満ちている。食べきれないほどボリューム満点だが、あまりの美味しさに完食してしまった。

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人で知る宿の魅力〜大洗のおもてなしの心

人が魅力の宿

入船旅館

「水族館まで徒歩3分、マリンレジャーの拠点に」

日本有数の水族館のひとつに数えられる『アクアワールド大洗』まで徒歩3分。電車やバスで大洗を訪れる者にとって、この距離はありがたい。家族や恋人同士で気兼ねなく使いたい宿だ。大洗はサーフィンなどのマリンスポーツや釣りのメッカとして知られている。太平洋へ注ぎ込む那珂川の河口部分が目の前というこの立地が、自然に気分を盛り上げてくれる。ちなみにサーフィンのポイントが目の前にあり、隣りには頼りになるサーフショップもある。

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松葉旅館

家族旅行から長期滞在まで、気兼ねなく泊まれる宿

創業は昭和40年。現在は女将さんと数名の女性スタッフで調理から接客、掃除にいたるまでを取り仕切るアットホームな旅館だ。一見、民家のようなこじんまりとした建物ながら、平日は常にほぼ満室状態。特にビジネスで長期滞在される客がほとんどで、その訳は何といっても居心地の良さに尽きるだろう。仕事を終えて戻ってくると、女将さんの温かい笑顔と美味しいお手製料理が待っている。まるで実家に帰ってきたような気分だ。

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