松林に囲まれた閑静なレストラン「松涛」。外界の喧騒とは一線を画す穏やかな時が流れ、洋船を模したという店内には舵輪や模型など船舶に関するディスプレイの数々。ひとたび席に着けば、そこはもう豪華客船のレストランに見えてくる。また、ナマズ研究家としても名高いあの高貴なお方さえ足を止めたという、作者不明のナマズの絵もいくつか展示してあり、その精彩さは一見の価値有りだ。

夕食は和食会席、洋食コース、和洋会席のいずれかを選べるとあって、非常に迷った。せっかく大洗に来たのだから、目の前の海で獲れた海の幸を刺身で食べたい。そう思って和食を選んでみたが、これが大正解。刺身がとにかく美味しい。それに焼き魚や天ぷらなどの定番メニューもシンプルなのにどこか洗練されていて、質の高さに大満足の夜だった。

客室は各界の要人たちが宿泊したという極上のスイートルームから、一人客でも利用可能なものまでバリエーションに富んだラインナップ。それぞれのシーンに応じて使い分けることができるが、特に人気なのがファミリーや気の合う仲間たちとのんびり過ごすのに最適なファミリールーム。52㎡ある広々とした空間にベッドはもちろん布団の敷ける畳もあり、最大6名まで収納可。これなら親子三世代で…というのも夢じゃない。

このホテルに身を置くだけで、なんとなく自分がセレブリティの仲間入りしたような気分に。そうさせてくれるのは、各界の著名人たちが愛用しているという事実はもちろん、スタッフ陣の細やかで品位のあるサービスがあるからに違いない。かといって堅苦しさは一切なく、まるで数年来の友人のような柔らかで気さくな会話にほっと心も温まる。来年もまた、この人に会いに来よう。